
$R_S$
$R_L$
| $R_S \rm{[\Omega]}$ | $R_L \rm{[\Omega]}$ | $R_1 \rm{[\Omega]}$ | $R_2 \rm{[\Omega]}$ | $A_d \rm{[dB]}$ |
|---|
上の図に示す回路図は,出力インピーダンス$R_S$の電圧源$V_i$の電圧を,$R_1$,$R_2$のL型ATT(Attenuator)を通して,負荷$R_L$に電圧$V_o$を届ける回路を表しています。L型ATTによって電圧を減衰させると共に,出力インピーダンス$R_S$の電圧源から見た負荷が$R_L$に見えるように,負荷$R_L$からは出力インピーダンス$R_L$の電圧源がつながってるように見えるようにします。回路を縦続接続する際は,しばしばこのようにインピーダンスを整えたくなります。なりますよね?
$R_S$と$R_L$が既知で,条件を満たす$R_1$と$R_2$を求める問題となります。L型ATTを加えることによる減衰量$a_d$は$R_S$と$R_L$の比率で決まり,独立に変えられません。変える場合は抵抗をもう1つ加えたπ型ATTやT型ATTが必要です。
破線Aから右側を見ると $$R_S = R_1 + R_2 // R_L = R_1 + \frac{R_2 R_L}{R_2 + R_L}$$ という式が成り立つようにしたいです。$//$は並列接続の合成抵抗を表しています。 次に,破線Bから左側を見ると $$R_L = (R_1 + R_S) // R_2 = \frac{(R_1 + R_S)R_2}{R_1 + R_2 + R_S}$$ としたいです。
この2つの式を連立して$R_1$,$R_2$について解くと $$R_1 = \frac{1}{R_L} \sqrt{\frac{R_L^{2} R_S}{R_S - R_L}} \left(R_S - R_L\right)$$ $$R_2 = \sqrt{\frac{R_L^{2} R_S}{R_S - R_L}}$$ となります。$R_S$,$R_L$を正の実数とし、$R_S > R_L$として式を整理すると $$R_1 = \sqrt{R_S \left(R_S - R_L\right)}$$ $$R_2 = R_L \sqrt{\frac{R_S}{R_S - R_L}}$$ という式が得られます。条件を満たす$R_1$と$R_2$を得ることができました。
なお,上記の整理は,$R_S$,$R_L$を正の実数とし,$R_S > R_L$のときのみ成り立ちます。上の計算ツールにそれ以外の値を入れた場合は考慮していません。
$R_1$と$R_2$を追加することで,信号源と負荷を直接つないでいたときと比較してどれぐらい電圧が下がるかを計算します。
信号源と負荷を直接つないだときの$a^{'} \equiv V^{'}_o/V^{'}_s$を考えると, $$V^{'}_o = \frac{R_S}{R_S+R_L} V^{'}_s$$ から, $$a^{'} = V^{'}_o/V^{'}_s = \frac{R_S}{R_S+R_L}$$ が得られます。
$R_1$と$R_2$を追加したあとの$a \equiv V_o/V_s$を考えると, $$V_o = \frac{R_L//R_2}{R_S+R_1+R_L//R_2} V_s = \frac{R_L R_2}{(R_S+R_1)(R_L+R_2)+R_L R_2} V_s$$ から, $$a = \frac{R_L R_2}{(R_S+R_1)(R_L+R_2)+R_L R_2}$$ が得られます。
信号源と負荷を直接つないでいたときと比較してどれぐらい電圧が変化するかの比率を$a_d$とおくと, $$a_d = a/a^{'} = \frac{R_L^2 R_2 + R_S R_L R_2}{R_S R_L R_2 + R_S R_1 R_2 + R_S^2 R_2 + R_S R_L R_1 + R_S^2 R_L} $$
となります。
$R_S$,$R_L$を色々変えて利得を見てみます。見やすいようにdBに直した$A_d =20 \log_{10} a_d $と,$R_S$と$R_L$の比率をグラフにすると,以下のようになります。
以上です。
2015.10.13, 作成
2021.08.15, mathjax v3に修正,htmlとwsgiのサーバを分離
2021.08.18, 損失の計算を追記